五色の食材を意識して食生活改善
現代人の腸内環境改善のカギを握るのが、杉本先生が推奨する食事方法「杉本恵子の食材5色バランス健康法®」です。
「これは、私が30年ほど前から提唱している食事改善方法。従来の栄養成分で食材を分けるのではなく、ざっくりと見た目の色で分けるのがポイント。赤・白・黄・緑・黒の五色に分類した食材を一回の食事でバランスよく食べればOK。食物繊維や発酵食も含まれるので、腸内環境改善にもバッチリです」
栄養価計算も不要、色で判別するので専門知識のない子供から高齢者まで、誰でもすぐに実践できます。赤・白・黄・緑・黒の五色に該当するのは以下の食材。調味料や飲み物は該当しません。
杉本先生のデイサービスでも、この食事法に倣った献立を提供。「ミネラルを多く含んだ黒の食材が不足しがちだから、意識的に食べるように」とのことです。食材の調理方法に決まりはなく、煮ても焼いても、そのまま食べても問題ありません。「まずは食生活を意識することが大事」と、杉本先生と話します。
生活に合わせた、ほどほどの健康管理を
とはいえ、会社勤めで外食の多い人にとっては、「五色をバランスよく摂るのはむずかしそう……」という懸念があるのではないでしょうか。
「たとえば、どこのコンビニにもあるシャケおにぎり。シャケは赤の食材、巻かれた海苔は黒の食材、そしてごはんは白の食材です。サラダを加えて、黄と緑の食材をプラス。ワカメスープやメカブがあれば、黒の食材をさらに補強できます。コンビニで売っている商品でもバランスよく摂ることができます」
ということは、ごはんに味噌汁をかけた「ねこまんま」も旬の野菜を添えれば、立派な健康レシピに。
「戦国時代の武将は、玄米おにぎりと味噌汁と漬物で戦ってきたのです。これは、必須アミノ酸を含んだごはんや大豆類、発酵食も摂れる理にかなった構成。特別な料理法でなくとも、健康的な食生活はできるのです」
このように、食事改善にこまかな制限を課さないのが杉本流。現代社会に順応しながらも、できるかぎりの対策をとることが継続につながると考えています。
「無農薬野菜や自然由来の食材を毎日食べるにこしたことはありませんが、そうそうできるものではありません。徹底した食事管理も実現できなくては机上の空論。いまの時代、防腐剤や添加物が含まれた食べ物は避けられないこと。だったら、せめて身体に溜めこまずに排泄し、軽減する。インプット(食事)とアウトプット(排泄)が管理できていれば、それも可能です」
日頃の生活にほんのわずかな工夫を加えることが、健康管理の第一歩に。明日から、と言わず今日から、インプットとアウトプットを意識して、トイレに行くときは手帳を忘れずに!
【Profile】
杉本 恵子(すぎもと・けいこ)
株式会社ヘルシーピット 代表取締役/管理栄養士/ヘルスケアトレーナー/産業栄養指導者/心理相談員
1991年、個人の健康管理の全体像を踏まえたトータルなウエルネス管理「健康意識への育成」を行うべく、株式会社ヘルシーピットを設立し代表取締役に就任。健康にとって本当に必要な事を考え、「食事」「運動」「休養」の3点から、1人ひとりに適したパーソナルな健康づくりを提唱し実践する。活動は、企業・健康保険組合が行う社員の健康づくりのコンサルティングやサポートを中心に、出版・新聞・雑誌などの執筆活動、全国各地での講演活動、ラジオ・テレビ出演など多岐にわたり活躍中。現在、1人でも多くの人がより健康で明るく生き生きと生活できる社会を目指し、全国の管理栄養士・栄養士を「かかりつけmy栄養士」として再教育。子供の食育、生活習慣病の予防・改善、さらに健康的なダイエットの食生活改善を「ミールクリニック」事業として全国で展開しております。
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