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レクリエーション介護士に聞いたシニア世代の働き方

高齢者が「楽しかった」と実感できるレクを

柴田さんのレクへの探求心は止まることを知りません。さらなるスキル向上を模索していたところ、インターネットでレク介護士の存在を知ります。そして通学受講の末、2015年、2級の資格を取得。

「講義内容は、高齢者との接し方や介護の基礎知識、レクを行う意義などを学びます。これまでやってきたことがひっくり返るくらい多くの発見がありました」

レク介護士制度を運営する日本アクティブコミュニティ協会は、レクの役割は介護を受けている高齢者がただ楽しいだけではなく、ふたたび元気を取り戻すことにあると考えています。一方的にレクを行うのではなく高齢者ひとりひとりが何を求めているのかを充分把握することが重要。だから、レク介護士たちはレクを企画する準備段階として、高齢者へ入念なヒアリング、アセスメントを行うのです。

「みんな、喜んでくれただろう」。そんな感覚だけを頼りにしてきた柴田さんは、これまでやってきたレクを見つめなおし、改めて原点に立ち戻ります。

レク介護士たちはレクを企画する準備段階として、高齢者へ入念なヒアリング、アセスメントを行うのです。

「相手のことがあまり見えてなかったのかもしれません。その場を盛り上げるだけなら、レク介護士でなくてもいいでしょ。レクを体験した人が『あぁ、楽しかった』とすこしでも実感してほしい。そして、元気に明るく前向きになってほしい。資格取得前はそのあたりの配慮が足りていなかったかも」

意識が変わった柴田さんはより一層、レクに熱意を注いでいきます。レクに脳トレになる手遊びや手話うたを取り入れたり、すずやタンバリンを使い高齢者とともに演奏を楽しんだり。最近では、笑いヨガを取り入れており、笑う楽しさを実感してもらっています。レク介護士になってから、高齢者のちょっとした表情の変化や心の機微にも注意が向くようになりました。

「いつも“アンテナ”張っているようなもので、高齢者の反応や様子には敏感ですよ。退屈そうにしているけど、足でリズムをとっている方とか、以前より笑顔が増えた方とか、しっかり見ています。そういうことを意識すると、レクの質も上がっていきますよ。ご家族からお褒めの言葉をいただくこともあります。『デイサービスから帰ってきたら、めずらしく鼻歌を歌っていたんです』とかね」

柴田さんが広げる、レク介護士の輪

2017年、レク介護士1級の資格試験に合格することによって、柴田さんの“アンテナ”はさらに精度が上がります。

「1級になってから責任感は増しましたね。介護施設からも結果を期待されますし。音楽以外にもレパートリーはあったほうがいいから、ちぎり絵とか貼り絵など、手作りで制作するものにも挑戦しています。不器用なので、得意分野ではないんだけど(笑)」
1級取得によってプロの意識も芽生えました。質のいいレクを提供し続けるために、何気ない日常生活で感じたことなど、自身がいろいろなものに興味を持つことを意識しているそうです。レクは人や場所が変われば、内容も変えていかなければなりません。そのためには、自身が様々な情報を得て、たくさんの引き出しを持っておくことが大切と柴田さんは考えています。また、レクが終了した後には必ず振り返りや反省をし、次回に活かしています。

柴田さんの熱意は、介護施設の職員やほかのレク介護士にも向けられます。

「普段私がやっているレクを私がいないときでも、実施されているのが理想です。年間のレクや行事を企画している介護施設では、介護職員の方にもレクの月間計画や企画を考えるようお願いしています。手間かもしれないけど、やる意義はあります」

「どうやって施設と関われるのかわからない」「特技の活かし方がわからない」。そんな悩みを抱え、次第に現場から足が遠のくレク介護士もいるそうです。いわば“ペーパー・レク介護士”。彼らのようなレク介護士をまとめるのも1級取得者の大事な務め。

「私なんて、自分から施設に営業かけるくらいなんですけどね(笑)。そういう人たちの活動をサポートするように心がけています。若い人がまとめ役をしたら、生意気に思われるかもしれないけど、年長者ならみんなも着いていきやすいですよね」

音楽が得意な人、手芸が得意な人、料理が得意な人、いろんな特技の人が集まれば、それだけ幅広い現場でレクができます。柴田さんのまわりでは、レク介護士の輪が広がりつつあるようです。

シニアの立場を活かせるレク介護士