健康志向の高まりから、世界中に広がりを見せているオーガニック市。ここ数年南米ペルーでも大人気です。週末には首都リマの各地で開催され、近郊の農家から持ち込まれた生鮮食品や乳製品から加工品に至るまで、ペルーならではの食材がずらりと並びます。今回はリマの老舗オーガニック市の様子と、そのブームを支える背景についてご紹介します。
オーガニック市のパイオニア「ビオフェリア」
リマ市ミラフローレス区の「Bioferia(ビオフェリア)」は、1999年12月に始まったオーガニック市の草分け的存在。リマ近郊で有機栽培された野菜を中心に、700~1000点ものオーガニック商品が販売されます。
ペルー美食協会(Apega)の報告(2016年)によると、オーガニック食品の国内消費量はこの10年で70%も増えています。ペルーはオーガニックコーヒーの輸出量およびオーガニックカカオの生産量がそれぞれ世界第2位。後者は9割が海外向けで、輸出分野でもその勢いを増しています。オーガニックのマカやキヌア、アカテツ科の植物ルクマ、レモンの約60倍のビタミンCを含むアマゾンの果物カムカムなども海外からの要望が多い品。最近では、アメリカのUSDA(米農務省)やドイツのBCS社のオーガニック認証マークが付いた商品を見かける機会も多くなりました。
ペルーでは、農業省管轄の国立農業衛生局や国際グループ企業のコントロール・ユニオンなどが国際基準に沿ったオーガニック認証を行っています。また、リマでビオフェリアを運営するエコロヒカ・ペルーも、取り扱う商品に一定の基準を設けギャランティーを発行しています。その妥協を許さない厳しい監査姿勢が評価され、「海外の特別な認証マークがなくても、ビオフェリアに出店しているテナントなら大丈夫」という消費者の確固たる信頼を得ています。