五味の働き~前回に続きその2<苦味>
薬膳では、全ての食べ物を「酸・苦・甘・辛・鹹(カン:しおからい、しょっぱい)」と五つの味に分け、それぞれが特有の働きを持つと考えます。
今回取り上げる苦味は、体内の熱を冷ます、排便を促す、体の余分な水分を乾燥させるなどの働きがあります。食べ物では、苦瓜、うど、オクラ、セロリ、パセリ、みょうが、らっきょう、ラディッシュ、レタス、オレンジ、グレープフルーツ、ウーロン茶、コーヒー、緑茶、菊花などがあります。
例えば、暑い夏には苦瓜を使ってゴーヤチャンプルーを作ったり、熱が出た時には緑茶を飲んで熱を尿とともに排泄したり、朝のコーヒーは排便を促すという風に使うことが出来ます。
中医学で考えるシミの原因
これからの時期に気になる紫外線。紫外線は4月・5月から徐々に多くなります。薬膳で賢く紫外線予防をしたいものですね。
中医学では、シミの原因を下記のように考えます。
①「ストレス」タイプの方は、
特に目のまわりに濃褐色斑が現れます。イライラしやすく怒りっぽい、生理不順、不眠気味の方に見られます。
②「消化器系が弱い」タイプの方は、
境界線がはっきりしない、くすんだようなシミが特徴です。疲れやすい、食欲不振、食べても太りにくい、むくみやすいといった症状が出やすい方に見られます。
③「ホルモンバランスの乱れ」タイプの方は、
老化で生命エネルギーが不足することによって出来やすくなるシミです。腰や膝にだるさや痛みを感じるような方が多く、顔全体にシミが出来やすく顔の艶が少ないタイプです。
こうしたシミにお悩みの方は、いずれのタイプも水分や血液の循環、食べ物の消化・便通など体の“巡り”が停滞していることがあるので、先に触れた苦味を持つ食材のほか、次のような食材がおすすめです。
シミにおすすめの食材
黒米、黒豆、栗、オクラ、クレソン、茄子、菜の花、三つ葉、ほうれん草、アスパラガス、舞茸、山芋、あさり、いか、帆立貝、クランベリー、ブルーベリー、鰻、鱈、鰯、ししゃも、牛肉、鶏レバー、鴨肉、豚肉、牛乳、卵、金針菜(きんしんさい)、枸杞(くこ)、白木耳(しろきくらげ)、黒木耳(くろきくらげ)、松の実、紅花、山楂子(さんざし)、黒胡麻、棗(なつめ)、龍眼肉(りゅうがんにく)、納豆、黒砂糖、甘酒