薬膳と聞いて、皆さんの中に浮かぶイメージはどんなものでしょうか。
「からだに良さそう」
「漢方薬入りごはん?」
「あまり美味しくなさそう…」
「特別な食材を使ったお料理」
こんな風に思う方が多いのではないでしょうか。
薬膳とは、美味しくてからだに良い食事のこと。
さらに、単に美味しくてからだに良いだけでなく、中国伝統医学(以下中医学)のルールに沿って、食材が組み合わされている食事が薬膳なのです。このルールについては、これからいろいろな記事の中でお話をしていきたいと思います。
薬を食材に置き換えて健康管理
人は具合が悪くなれば、薬を飲んで体調改善しようとします。具合が悪くないとしても、いつまでも元気でいるためには、やはり毎日の健康管理が一番。薬を食材に置き換える、これがまさに“薬”に代わる“お膳”、「薬膳」なのです。
今、多くの方が日々の食事によって健康を損ねています。損ねてしまった健康を、ぜひ薬膳で取り戻していただきたいと思います。
薬膳は中国の長い歴史と医学・哲学の中から生まれ、磨かれ続けてきました。鎌倉薬膳アカデミーでは、そうした歴史ある薬膳の知識や技術を、日本人の体質と気候風土に合った「和の薬膳®」として提唱しています。私たちが毎日の食事で活かせる身近な薬膳を、今月から皆さまにお伝えしていきたいと思います。
「ゾクゾク」と「熱」/タイプ別で考える風邪の薬膳
第一回目は、「風邪の薬膳」についてご紹介します。薬膳では、風邪のタイプによって食べる食材が変わります。
「ゾクゾクタイプ」の風邪では寒さを身体から追い出して、温める食材(葱、生姜、紫蘇、シナモンなど)を選びます。
「熱タイプ」の風邪では身体から余分な熱を追い出して、冷やす食材(ミント、緑茶、菊茶など)を選びます。
さらに風邪の予防法としては、次のことに気をつけましょう。
- 冷たいものを飲まない・食べない
- 無理に食べない
- よく睡眠を取る
- 手洗い・うがいを徹底的に
冷たいものは消化器系の働きを弱め、栄養を作り出しにくい身体を作ります。普段から生活の中で気をつけることが大切です。