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レクリエーション介護士のレクってなにがすごいの?

レクリエーション介護士のレクってなにがすごいの?

みなさんは「レクリエレーション介護士」をご存じですか? レクリエーションというと、老人ホームなどの介護施設で行われているゲームや体操をイメージするのではないでしょうか。じつは、レクリエーションは私たちが思っている以上に奥深く、介護現場を変える可能性も秘めているのです。本記事では一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会公認講師で、レクリエーション介護士の普及促進に努める藤井寿和さんにお話を伺いました。レクリエーション介護士がこれからの介護現場にもたらす効果とは?

生きる元気を「再創造」するレクリエーションとは?

― 「介護士」と聞くと、介護に従事する介護福祉士を連想しますが、レクリエーション介護士の役割を教えてください。

2014年に新設されたレクリエーション介護士制度は日本アクティブコミュニティ協会が認定する民間資格です。資格取得によって、高齢者が安全にかつ楽しめるレクリエーションを企画する能力が身につけられます。介護に直接携わるだけでなく、効果的なレクを企画・提案するのが役目です。

1級と2級があり、2級の目標はレクリエーション(以下、レク)を通じて、介護の対象となる高齢者たちとスムーズにコミュニケーションが取れること。1級の目標は、自ら介護レクリエーションの実践を通して、事業所のレクリエーションを充実できる能力を身につけることにあります。

2級は2018年2月の段階で有資格者が2万人を突破しました。そのうち7割が介護従事者、3割は介護に関する企業で働かれている方や地域で活動されている方、一般の方などになっています。

一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会公認講師で、レクリエーション介護士の普及促進に努める藤井寿和さん

― 体操やゲームなど、これまでもレクは介護施設で取り入れられています。なぜ、レク介護士制度はできたのでしょうか。

私は介護現場に身をおいて15年近くになりますが、一般的にレクはあまり重視されていませんでした。「一日のスケジュールのなかで、余った時間にレクを充てる」くらいに考えている介護職員も少なくないんです。新人の介護職員が先輩から引き継がれて見よう見まねでやっているとか。

その一方でレクを見直す声も挙がっています。私が顧問を務める、レクリエーション介護士資格を運営するBCC株式会社スマイル・プラスカンパニーではレクの素材や企画を配信するWEBサイト「介護レク広場」を運営しているのですが、利用者から「レクをしっかり学びたい」という意見を多数いただきました。レク介護士創設にあたって、関東・関西それぞれ100件の介護施設にヒアリングしたところ、多くの職員がレクを実施する意義や効果についての悩みを抱いていたんです。

じつは私も介護業界に入りたてのころに、レクで苦い経験があるんです。そのときは節分にちなんで、オニに扮した職員に施設の利用者が豆をまいたんです。それなりに盛り上がったと思ったんですが、後日、利用者の方から「職員の方には普段よくしてもらっているから、楽しそうなふりをしていた」という手紙をいただいたんです。結局は自己満足に過ぎなかったんだと打ちのめされましたね。

そういったこともあって、私自身レクの意義を再び見つめ直す必要があると考えたんです。レクの「recreation」とは「re-creation」のこと。つまり「再創造」を意味します。「生きていく元気を再びつくりだす」という思いがレク介護士創設の根底にあるんです。

一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会公認講師で、レクリエーション介護士の普及促進に努める藤井寿和さん

レクは目的ではなく、あくまでも手段である