「命の食事」に託した、がん専門医の思い
一日一食健康法の効果はアンチエイジング、ダイエットだけではありません。南雲先生は、がん予防のための食習慣「命の食事」として提唱しています。
「乳がん専門医として多くのがん患者に手術や抗がん剤治療を行ってきました。しかし、私たち医師は治療ばかりで、予防についてはないがしろにしてきた。そのことによって、がん患者の増加を招いたともいえる。還暦をきっかけに、そのことに気づいたんです」
「世のため人のために残りの人生を費やしたい」。その思いが南雲先生を「命の食事」の普及に駆り立てます。
「今や最大の発がん因子は食生活。食生活によって倍増したがん死亡率は、食生活の改善によって半減できるはず。私にとって、60歳を過ぎたこれからの人生をがんの予防に役立てて行きたいと思っています」
南雲先生は活動を通して「向こう30年で、がん死亡率を半減させる」という大きな目標を立てています。果たして、「命の食事」が人生100歳時代にどのような影響をもたらすのか。南雲先生の今後の活躍に目が離せません。
取材・文/編集者・ライター 名嘉山直哉(なかやまんプロ)
■識者経歴
南雲吉則
ナグモクリニック総院長。医学博士。乳腺専門医。1955年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業後、東京女子医科大学形成外科、癌研究会付属病院外科、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、ナグモクリニックを開業。現在、医療法人社団ナグモ会理事長、ナグモクリニック総院長として、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5つの院でがん手術、乳房手術を行う。近年は「命の食事プロジェクト」と銘打ち、がんから命を救う食事と生活の指導・講演にも力を注ぐ。『「空腹」が人を健康にする』『大還暦 60歳から本気で若返る100の方法』『きれいカッコいいシニアになろう!』など著書多数。