「三高」と聞いて「あぁ、高学歴・高収入・高身長のことね」と、即答できる方は間違いなく40代以上のはず。昔はもてはやされた「三高」ですが、中高年にとっての「メタボの三高」は受け入れがたいものです。ナグモクリニック院長の南雲吉則先生がいうところの「メタボの三高」とは、高血圧・高血糖・高脂血症のこと。「この世からメタボをなくしたい」と意気込む南雲先生は、この三高を解消する一日一食健康法「命の食事」を実践。果たして、その健康法とは!?
奇跡の60代を悩ませた「メタボの三高」とは
ハリ艶のある肌に、さわやかな笑顔――。どこから見ても40代の見た目の南雲先生ですが、じつは1955年生まれ。還暦を迎えた今も若々しいルックスをたもつ「奇跡の60代」なのです。アンチエイジングのスペシャリストとして、講演や執筆活動でも精力的に活躍中。そんな南雲先生ですが、働き盛りの30代のころは、メタボ体型に悩まされていたというからオドロキです。
「38歳のころ、親の跡を継ぎクリニックの院長になりました。そこで一気に責任がのしかかってきた。ストレスに耐えかねて暴飲暴食に走り、みるみる体重が増加。身長173cmで体重80kgはあったでしょうか」
独立や昇格など仕事での転機を迎える30代、40代。当時の南雲先生と近い境遇に置かれている人も多いのではないでしょうか。メタボ体型になってしまった南雲先生の身体に、いつしか様々な不調が起こります。
「膝、腰の痛み、不整脈が頻繁に起こるようになりました。このままでは50歳まで生きられないのではないか……。そんな不安が頭をよぎり、食生活を一から見直すようになりました。高血圧・高血糖・高脂血症、どれをとっても体にいいことなんてひとつもない。がんや心筋梗塞など重篤な病を引きおこす要因にもなるんです」
肥満によって命の危険をも感じた南雲先生は、様々なダイエットを試みた結果、一日一食健康法を見いだしたのです。それでは、南雲先生を「奇跡の60代」へと導いた一日一食健康法を紹介!……と言いたいところですが、その前に高血圧・高血糖・高脂血症について説明します。
まずは高血圧について。不摂生によって血管が傷付いて動脈が硬く変化する「動脈硬化」を起こすと血流が悪くなります。すると私たちの体は血圧を上げることによって血液を送りだそうとします。これが高血圧です。
次は高血糖。糖質を摂ると血糖値が上がります。このときインスリンというホルモンが分泌され、糖を脂肪に変えて血糖値を下げます。そのため糖質を食べると太るのです。際限なく太って身動きが取れなくなるとエサを追いかけることも敵から逃れることもできません。そこでいくら食べても脂肪を蓄えない様に、インスリンが働かなくなるのです。これが高血糖です。
最後に高脂血症。コレステロールは細胞膜を作っている大切な栄養素。不摂生によって細胞が傷付くと、肝臓がコレステロールを産生するので高くなります。現在は「脂質異常症」のひとつに含まれています。