人生100年時代のライフスタイルラボ
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【「疲労科学」の専門家に聞きました】人生100年時代をいきいき過ごす「疲れ」との付き合い方とは?

【「疲労科学」の専門家に聞きました】人生100年時代をいきいき過ごす「疲れ」との付き合い方とは?

人生100年時代がやってくると、「定年と同時に引退」といったさまざまな常識が大きく変わります。65歳以降でも新たに勉強やビジネスをはじめるなど、思い思いの人生を過ごすことができるのです。想像するだけでワクワクしますよね。

ただ、こうした充実した日々を過ごすためには、健康であることが不可欠。心身ともに健やかでなければ、長い人生の楽しみは半減してしまいます。では、いきいきと毎日を過ごすにはどうすればいいのでしょうか。そのヒントを得るため、理化学研究所 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム 健康計測解析チーム/新規計測開発チーム チームリーダーの水野敬先生を訪ねました。人間の「疲労」について研究しているエキスパートです。

日本人の約40%が「未病」状態

毎日を笑顔で過ごすためには、病気にならないよう気をつけることが大切ですが、そもそも人間はどのような過程で健康を失ってしまうのでしょうか。

「病気が発生する前段階に、“未病”と呼ばれる状態があります。やや大雑把な言い方ですが、痛みが長い期間続く、微熱が続く、心身の疲れや倦怠感がある……といったものです。こうした状態を経て病気になっていくのですね。ですから、未病状態を解決すれば、その先にあるより重大な疾病の発症を抑えられるのではないかと考えられます」

水野先生は、この未病を「慢性的な疲労を抱えている状態」ととらえ、その解析や疲労軽減の方策について研究しています。水野先生らの研究グループが実施した調査によれば、日本人の約4割が慢性的な疲労を抱えているとの結果も出ていますが、日本人がこれほど疲れているのはなぜなのでしょうか。

これほど疲れている日本人

「睡眠不足が大きな問題です。経済協力開発機構(OECD)の調査では、加盟国の中でも日本と韓国の睡眠時間が非常に少ないことがわかっています。また、この2か国にはメンタルヘルスの問題を抱えている人が多いともいわれています」

疲労と睡眠時間にははっきりした関係があり、睡眠時間が短いと疲れがとれづらくなるとのこと。こうした睡眠不足の問題は子どものころから現れはじめるといいます。

「米国睡眠医学会が報告している子どもの推奨睡眠時間によると、未就学児は10時間以上、小学生は9時間以上、中学生は8時間以上とされています。一方、2016年に大阪市淀川区の小中学生5,285名を調査した結果、小学6年生の平均睡眠時間は8時間24分、中学2年生は7時間31分です。いずれも推奨時間に足りていません。忙しい生活に適応するために、こうした短い睡眠時間になってしまうのですね」

理化学研究所 健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス推進プログラム 健康計測解析チーム/新規計測開発チーム チームリーダーの水野敬先生

たとえば学校での授業が終わった後も学習塾や習い事をこなし、帰宅が遅くなって結局睡眠時間を削る……といった、大人が残業するのとほとんど変わらないライフスタイルが子どもたちの間にも広がっているのです。こうしたことが長期間続くと慢性的な疲労状態におちいり、その結果、健康を害するリスクが高まるのです。

人生100年時代に「疲労」と上手に付き合うには?